デザインや間取りが気に入って「この工務店で家を建てたい!」となっても、こんな迷いが必ず出てきますよね。
本当に信用できる良い工務店なのか、見極める方法はある?
一生に一回の買い物ですから、慎重になるのは当然です。
こんな迷いに対して、先に結論から書くと、良い工務店を見極めるポイントは「建築中の現場を見ること」です。
僕は住宅業界で7年働いて、施工管理者として多くの現場を見てきました。
その経験から、良い工務店の現場状況が分かるようになりました。
そんな僕が、家づくりを始めたばかりの人でも分かる「現場を見るポイント」を解説します。
現場を見るポイントが分かれば、信用できる工務店が見極められます。
建築中の現場にはヒントがいっぱいありますよ!
専門知識が全くなくても分かる内容なので、工務店選びで迷っている方は、ぜひ実践してみてください。
なぜ現場を見るべきか
完成した物件を見るのではダメなの?
完成した物件では見た目の良さしか分かりません!
建てている途中が大事ですよ!
工務店が家を建てる時は、必ず「協力業者」がいます。
家は工務店の社員が建てているのではなく、実際には協力業者が建てているのです。
中には社員が大工さんという工務店もありますが、自社で全ての工事をしている工務店など存在しません。
工務店というのは、協力会社に建築工事をしてもらうために「管理」をしているだけです。
大手のハウスメーカーであれば、ある程度は工場生産になりますが、工務店は現場で施工する協力業者の質で、家の品質が大きく変わります。
たくさんの協力業者をうまく管理して、いかに質の高い仕事してもらえるかで工務店の力量が分かります。
協力業者が質の高い仕事をする ⇒ 良い家が建つというシンプルな構造です。
また「協力業者」といっても、実際に仕事をしているのは一人一人の「職人さん」です。
職人さんが良い仕事をして、初めて良い家が建ちます。
この職人さんたちの仕事ぶりが見えるのは、現場のみです。
だから、現場を全く見ずに工務店を選ぶのは危険ですよ!
現場を見るときのポイント
現場で見るべきポイントは3点です。
現場を確認するときに、専門知識は決して必要ありません。
僕もマイホームで工務店を決定するときには、まずは現場に行きました。
現場がキレイかどうか
これは一番大事です!
みなさんの職場でも「できる人」の机って、きちんと整理整頓されているのではないでしょうか。
それと同じで、現場をキレイにしている職人さんは必ずと言って良いほど、質の高い仕事をしています。
逆に現場をキレイにしていない職人さんの仕事は雑です。
大切な資材がどこにあるか分からなかったり、工具が散らかっている状態で良い仕事ができるはずがありません。
僕も施工管理をしていて、仕事を任せたいなと思う職人さんは必ず現場をキレイにする方でした。
職人さんが現場をキレイにするように、工務店がきちんと管理できているかもポイントですね。
建設中の現場は、外からならアポなしでも見ることができますので、工務店にはアポを取らずに行きましょう。
アポを取ってしまうと、その時だけ現場をキレイにすることもできるので、参考になりません。
普段から常に現場をキレイにできる職人さんがいる工務店が、本当に良い工務店です。
建築資材がきちんと養生(ようじょう)されているか
養生とは、例えばブルーシートをかけるなどして建築資材を保護をすることです。
屋外に置いている木材などは雨が降ると濡れてしまいますし、泥で汚れることもあります。
家が建ってしまえば、構造に使われる木材などは見えなくなりますが、雨に濡れて汚れたような木材で建っている家なんて誰も住みたくないですよね。
木材が濡れた状態で施工をして、外壁を貼ってしまうと、最悪の場合は木材が乾かずに腐ったりします。
完成した後に、木材がキレイな状態だったかんて分かりませんので、モデルハウスや完成見学会では気づけない部分ですよね。
だから、建築途中に資材が養生されているかどうかは、かなり大事なんですね。
できれば早朝か、作業が終わった夕方頃に見に行きましょう。
施工中は養生を取っていることも多いので参考になりません。
一日の終わりに、きちんと養生をして現場を終える工務店は良い工務店です。
職人さんの身なりや態度はしっかりしているか
何度も言いますが、家を建てているのは工務店ではなく「職人さん」です。
もちろん、その職人さんを管理するのが工務店の仕事なのですが、結局は職人さんの質で家の質が決まります。
やはり質の高い職人さんは、身なりや態度がしっかりしています。
皆さんの職場でも仕事ができる人は、見た目もきちんとしていて、気持ち良い挨拶ができるような人ではないでしょうか。
自分の身なりを整えられない人に、一生に一回のマイホームを任せられないですよね。
特に、屋外の作業で「ヘルメットを被っていない」なんていうのは論外です。
建設現場は危険がいっぱいなので、自分の身を守ることを考えていない職人さんは意識が低い証拠ですし、安全教育ができていない工務店の質も低いです。
想像してみてください。
万が一、職人さんがケガをしたり、最悪の場合には死亡事故になったりすると、そんな家にはもう住みたくないですよね。
足場が組まれて、屋根工事や外壁工事が始まるタイミングにしましょう。
屋外作業をしているときは、外からでも様子が分かりますし、見える職人さんの数も多いです。
ヘルメットを被っていないなど、適切な安全対策をしていない工務店は品質を疑いましょう。
僕の体験談
僕が住宅資材商社で施工管理をしているときは、個人の職人さんを直接雇って仕事をお願いしていました。
あるとき、屋根工事の若い職人さんから「仕事がほしい」と言われたので、まずは現場で話をしてみました。
すると、服装はだらしない、えらそうに喋る、ヘルメットは被っていない、など明らかに質の低い職人さんの例に当てはまったので契約は見送りました。
後日、その職人さんが別の会社の仕事で転落事故を起こした聞きました。
人が乗ってはいけない資材用のリフトに乗って屋根に上がっている途中に、足がひっかかり車の上に転落したとのこと。
結局、その職人さんは長期間入院となり、施工中の現場も労働災害として工事がストップしました。
死亡事故にならなくて本当に良かったですが、そんな事故を起こされた家のお施主様は気の毒です。
建築中にそんな事故があったマイホームに住むのは嫌ですよね。
やはり、実際に施工をする職人さんの質と、それを管理する工務店の力量は、家の品質で直結するなと感じました。
まとめ
この記事では良い工務店を見極める3つのポイントを解説しました。
「見極める」というと難しく感じるかもしれませんが、専門知識は全く必要ありませんので、誰でも感覚的に実践できます。
気になる工務店があって、契約をしようか迷っている方はぜひ現場確認をしてみてください。
営業マンのアピールを聞くより、まずは現場です!
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